【企業分析】トヨタグループ御三家(デンソー・アイシン精機・豊田自動織機)の自動車部品メーカーの違いを比較

 

 

トヨタグループ御三家比較



 

 

今回はトヨタ系御三家とも呼ばれる部品メーカーのデンソー・アイシン精機・豊田自動織機について解説します。

 

 

 

結論:とにかく神です。

 

 

 

トヨタが日本企業でも群を抜いてバケモノなのは誰でも知っているはず。

 

 

実際に私の就活の際には、就活意識低い系の巣窟であった筆者の大学の機械系院生たちも、トヨタの推薦枠を懸けて(律儀に解禁日以降に)血みどろの争いをしていました。

 

 

 

だが車載部品メーカーをきっちり把握できている就活生は少ないのではないか。

 

 

自動車業界に興味のある就活生は、是非きちんとデータを見つつ、車載部品メーカー業界を研究して欲しい。

 

 

そりゃおバカな女子に知名度は低いかもしれない。トヨタなら合コンで「トヨタ!?抱いて!」となっても、「デンソー?(100均?)」「豊田自動食器(洗い機)?」みたいな反応をされたという都市伝説も無きにしも非ず(すみません、テキトーなこと言いました)。

 

 

 

しかし後述のデータを見てもらえれば車載メーカーにも超一流企業が集まっていることがわかります。

 

 

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▼今回のトピック

・自動車部品メーカーをざっくり解説

・3社のビジネスデータ比較

・平均年収・残業時間などとトヨタグループについて

 

 

 

 

自動車部品業界をざっくり分析して解説

 

▼自動車部品メーカー
・トヨタ系

・ホンダ系

・日産系

・独立系

 

 

自動車部品メーカーはこの4種類にに大別されます。

 

 

 

トヨタ系の自動車部品メーカー

・デンソー

・アイシン精機

・豊田自動織機

・トヨタ紡織

・ジェイテクト

・豊田合成

・東海理化

・小糸製作所

 

 

ホンダ系の自動車部品メーカー

・ケーヒン

・ユタカ技研

・テイ・エス・テック

・ショーワ

・エフテック

・八千代工業

 

 

日産系の自動車部品メーカー

・カルソニックカンセイ

・ジャトコ

・鬼怒川ゴム工業

・ユニプレス

 

 

独立系の自動車部品メーカー

・日本精工

・NTN

・矢崎総業

・タカタ

・NOK

・ニッパツ

・KYB

・トピー工業

・サンデン

・曙ブレーキ工業

 

 

ここまで、『日経業界地図2018』を参考にしました。

 

 

 

さらに、一見自動車部品と関係なさそうだが、実は重要な部品を納めている企業はいくつもある。

 

 

例えば、日立製作所にはオートモティブシステムというセグメントがあり、エンジンの制御システムやリチウムイオン電池を作っている。パナソニックもカーナビやテスラ向けの電池を作っている。他にも積水化学は合わせガラスに挟む中間膜(割れたときにガラスが飛び散るのを防ぐ)で世界シェア8割を握っています。

 

自動車メーカーに興味がある就活生には是非とも自動車メーカーにまで視野を広げましょう。あと、就活生は系列内での序列や力関係、他系列との関わりなども調査しよう。

 

 

人事以外の社員と話せる場でコソっと聞き出すといい。独立系で自由にやれそうなのが良い、あるいは強いグループの一員としてトップレベルの仕事をしたい等、力強い自分だけの説得力のある志望動機作りにつなげよう。

 

 

 

 

 

自動車部品メーカと自動車メーカーとの比較

 

 

自動車メーカーの2018年度の売上高

トヨタ自動車:284031

ホンダ:146011

日産:121895

マツダ:34066

スバル:32323

スズキ:31807

三菱自動車:22678

 

 

上記の部品メーカーから売り上げ上位を紹介しよう。

 

デンソー:45245億(豊)

アイシン精機:32432億(豊)

豊田自動織機:22290億(豊)

矢崎総業:17404億(独)

トヨタ紡織:14157億(豊)

ジェイテクト:14000億(豊)

カルソニックカンセイ:1533億(日)

()内は系列を表す。もし書き漏らしている企業があったら指摘してください。

 

 

 

トヨタ系の自動車部品メーカーは強いですね。売上規模のイメージとして、

 

三菱電機や三菱重工が4兆円ほど

サントリーが2.5兆円くらい

ANA1.8兆円くらい

なのと比べればすごさがわかります。

 

 

 

ちなみに世界に目を向けると、ボッシュというドイツの会社が圧倒的トップ。ついでドイツのコンチネンタル。デンソーは三位だ。

 

 

 

 

トヨタ御三家(デンソー・アイシン精機・豊田自動織機)3社のビジネスデータ比較

 

自動車部品メーカーの王であるトヨタ御三家各社の分析を行います。

 

 

トヨタグループ会社全体の比較

 

 

売上高・純利益・売上高営業利益率のグラフです。

 

 

 

 

 

各社業績が右肩上がりである。しかも増加量も非常に大きい。

 


自動車メーカーは円高になると利益が目減りする。トランプ大統領誕生で世界恐慌&円高かもと噂されたが、とりあえずは円安に進んでるし、世界経済が好調ならば引き続き自動車業界も好調だと言えます。

 

 

 

 

デンソーの事業セグメント&企業分析

 

デンソーのセグメント分けと主要製品は以下の通り。

 

----------------------------------

・パワトレイン:エンジンに関係する部品と制御システム
       ハイブリッド車やEVの電源システム

・熱:カーエアコン
   ラジエーター

・情報安全:ドライバーの情報を取得するセンサー
      周囲の情報を取得するセンサー
      情報通信機器

・電子:エンジン制御ECU、車載用半導体センサー

・モータ:ワイパーや窓の開閉用モーター
     パワステ
     小型モーター

・新事業:産業用ロボット
     ヒートポンプ式給湯器
     QRコード

-------------------------------------- 

 

セグメント別売上高比率は以下の通りです。

 



 

いくつか車載部品メーカーを受ける上で大事なことを解説します。

 

 

まず、現在の車には大量のコンピュータが搭載されており、高度な制御を行っている。例えば、人間は普通にアクセルを踏むだけでも、走行状況に応じてエンジン内で燃料の噴射具合をコンピューターが制御してる。

 

 

 

車って聞くと機械というイメージを持つ人もいるかもしれないが、高度な電子情報システム抜きに車は語れない。ここ数年で車の中の車載部品の中で電子部品比率は3割⇒7割まで増えている。

 

 

 

次に話題の自動運転についてです。知識もなく自動運転のワードをプロの前で出すと本選考で蹴散らされるのでしっかり勉強しましょう。

 

 

安易に自動運転が実用化できるなどと考えない方がいい。特に機械系の技術者は極めて安全への意識が高く、安全工学という学問分野があるほどだ。これは長年機械やヒューマンエラーによる痛ましい事故を受けて、技術者が積み重ねてきた英知の結晶である。

 



そういった人たちからすると技術的に自動運転で走らせることが出来るのと、製品として売り出すのは別の話である。ちょっとニュースをかじっただけの就活生が「これからは自動運転の時代ですよ。日本のメーカーは世界に取り残されないように~」なんて能書きを垂れると彼らの地雷を踏んでしまうので注意が必要です。

 

 

 

また、自動運転技術だけでなく、人間が自動運転とどう付き合っていくのかについても議論が必要である。法整備はもちろんだし、自動運転に丸投げして人類がドライビング能力を失ってもいいのかよく考える必要がある。

 

 

デンソーの情報安全セグメントではドライバーの安全運転を支援するための技術を開発している。就活生は自分の意見をしっかり言えるように、社員の話に加えて、新聞・書籍・ネットなどでも様々な意見を見て日々考えをアップデートしましょう。

 

 

 

アイシン精機の事業セグメントと企業分析

 

 

アイシン精機は決算では製品ごとに担当してる子会社の名前でセグメントを出しているが、WEBサイトの製品別の方がわかりやすいので、そちらを紹介します。

 

 

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デンソーの社名は、元は「電装」つまり電気・電子機器から来ているので、やはりメカよりは電子情報寄りのセグメント構成であった。

 

 

一方、アイシン精機は1965年に自動車部品メーカーの愛知工業と新川工業が合併して誕生した。元の2社の名前や今の社名からわかるように、こっちはメカ寄りである。

 

 

 

豊田自動織機の事業セグメントと企業分析

 

 

豊田自動織機は機織り機の生産からスタートした会社で、トヨタグループの源流だ。豊田自動車は自動織機が作った自動車部が独立したものです。

 

 

売上高に占める割合は小さいが、現在でも繊維事業は残っており、エアジェット織機では世界一です(「機織り」はザックリ言えば鶴の恩返しでギッコンバッタンやって布作ってる機械)。会社ホームページからセグメント情報を紹介します。

 

 

 

 




 

 

主力事業は一部トヨタ車の組み立て、フォークリフト、エレクトロニクス製品である。このうちフォークリフトとカーエアコン用コンプレッサーでは世界一です。

 

 

 

フォークリフトは作って売るだけじゃなくて「最適な物流ソリューション」を掲げている所がポイントです。

 

 

要は客はフォークリフトそのものが欲しいんじゃなくて、自分のビジネスのために最適な倉庫や物流システムが欲しいということです。

 

 

 

したがって、ものつくりの視点だけでなく、顧客のニーズにあったシステムをトータルで納入する、そのためには情報分野で他企業と手を組むといった柔軟性が必要"という認識を持ちましょう。

 

 

就活生にはこれだけで差を付けられるはずです。

 

  

 

 

トヨタ御三家各社の平均年収・残業時間などとトヨタグループについて

 

 

気になる労働環境と待遇について解説します。

 

平均年齢・勤続年数・年収・月残業時間

デンソー:43.0歳・22.4年・834万円・32.6時間

アイシン精機:38.4歳・14.7年・710万円・33.4時間

豊田自動織機:39.0歳・16.7年・779万円・30.9時間

(初めの3つは各社有価証券報告書から、平均残業時間はVorkersより

 

 

 

年収の額面については何度も言うように高卒の工場作業員が入ってるので低く出る。総合職の実態はもっと高いはずです。

 

そして寮や車が安く買えるといった福利厚生も抜群であろう。基本的に豊田市近辺に住むことになるし、トヨタグループを受ける就活生は、就活と同時にライフプランも考える必要がある。

 

 

OBに会って生活の様子をよく調査し、自分の望むライフスタイルが送れるか検討しよう。

 

 

 

トヨタ御三家企業分析と違いまとめ

 

▼今回の要点

部品メーカーはトヨタ系・ホンダ系・日産系・独立系

デンソー4.5兆・アイシン精機3.2兆・豊田自動織機2.2兆の規模

他にも売上1兆円越えの部品メーカーがいくつかある

デンソーは電気・情報寄りの製品構成

アイシン精機はメカ寄りで色んな製品を作っている

豊田自動織機はフォークリフトとカーエアコン用コンプレッサで世界一

年収の額面だけじゃなくて社員の暮らしぶりを調べよう

 

 

とにかうトヨタ御三家は安定で高収入でおすすめです。あとは社風が自分にあうか直接企業に訪問して肌感で確かめましょう。

 

 

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