【石油開発業界】就活生向け5分でわかるINPEXとJAPEXを比較した違い(強み・社風・ビジョンなど)
INPEXをとりあえず受けるミーハー就活生よ、JAPEXって知ってますか?
JAPEXはINPEX同様、石油開発を行う企業で、漢字での名前は石油資源開発株式会社である。INPEXはグローバル、ホワイト、そこそこ高給って感じで文系就活生ならまあまあ知名度はあるのだが、JAPEXという企業は知らない人が多いだろう。
ネームバリュー、年収、みんなが受けるからって理由でINPEXしか受けてないポンコツ就活生は面接で「他のエネルギー開発企業は受けていますか?JAPEXは?」と聞かれたらパニクるんだろうね(笑)。「コイツは年収やネームバリューしか見てねえし、エネルギー開発わかってねえな。」ってのがバレたら落とされるので、INPEXを受ける人はJAPEXを受けなくとも軽く知識を持っておけ。
という訳で、今回は「JAPEXってINPEXと名前似てっけど、就職ランキングや友達の話でも聞いたことねーぞ」って就活生向けにサクッと両社の違いをまとめておこう。
【主要市場】INPEXは海外メイン、JAPEXは国内メイン
細かな違いは後述するとして、まず一番大きな違いは国内に強いか、海外に強いかという点である。両社の歴史と現在のビジネスの数字を見ながら違いを比較していこう。
INPEXとJAPEXは会社の歴史が全然違う
JAPEXは戦後にできた国策企業が源流で、新潟、秋田の油田を開発していた(日本でも石油は出るのだよ。知らなかった人は外で恥かく前に覚えとけ)。1970年に民間会社として独立した。その後少しずつ海外の事業も始めるが、メインは国内で結構な数の油田がある。
一方INPEXについては、“国際石油開発”と“帝国石油”という2つの源流があり、2006年に経営統合して現在の“国際石油開発帝石”になった。前者は北スマトラ海洋石油資源開発として1966年に発足、その後インドネシア石油→国際石油開発と社名が変わっていった。社名の通り、インドネシアからスタートし、世界中で石油開発を行うようになった。後者については1941年に発足し(帝国ってのはもちろん大日本帝国だ)、新潟での油田開発を行っていた。
という訳で、INPEXは海外メイン、JAPEXは国内がメインである。ただ、最近はJAPEXも海外進出を頑張ろうとしている。具体的な方針は中期経営計画で詳しく述べられているので、興味がある人は自分で見てみよう。国内事業の違いとしては、JAPEXの方がたくさん油田を持ってる。JAPEXのガスパイプラインは新潟から東北及び北海道に展開しており、東北―北海道で船によるLNGの輸送も行っている。INPEXの方は新潟から関東地方へ広がっている。
【業績】INPEXとJAPEXの最近の数字比較
売上と純利益は以下の通り。大体の規模感として、INPEXは売上1兆、JAPEXは3000億ってとこで、原油価格が高かった頃は、INPEXは2000億、JAPEXは300億くらい儲けていたが、最近は原油安で両社とも苦しい。
石油開発会社においては、日々どのくらい油を出しているのか、残りの埋蔵量はいくらかというのが重要だ。生産量に関してはINPEXが41万(バレル/日)、JAPEXは5万(バレル/日)、埋蔵量はINPEXが40億バレル、JAPEXは3億バレルである。
【ビジョン】INPEXとJAPEXの将来の方向性の違い
INPEXは目下イクシスLNGという巨大LNGプロジェクトが進行中である。この事業を軌道に乗せ、さらに将来的には生産量を100万バレル/日まで引き上げ、海外のメジャー企業と戦おうという計画だ。JAPEXは海外事業はまだまだ力を入れ始めたばかりだし、INPEXほど大きくなろうとはしていない。
両社とも石油・天然ガス開発だけでなく、再エネ事業に取り組んでいる。地面を掘るプロフェッショナルなので、そのノウハウを地熱発電に活かそうとしている。JAPEXはメタンハイドレードやCCS(地中に二酸化炭素を埋めてしまう)といった新技術の開発に力を入れている。
INPEXは海外でビッグプロジェクトをバリバリやっていく、JAPEXはバランスよく事業を拡大しつつ、新技術の研究を積み重ねていくという棲み分けを目指していると考えてよいだろう。
おまけ:年収の比較と採用についてのメッセージ
年収
おまけじゃなくて一番大事な情報だよね(笑)。2016年に出された有価証券報告書によると、INPEXは933万、JAPEXは825万。
採用についてのメッセージ
どの企業を受ける場合でも、“なぜ同業他社ではなく御社なのか”をしっかり自分の言葉で説明できるように準備しておけ。たとえ興味が無かったり、受けないとしてもだ。
人事は入社後すぐに辞められたら自分たちの評価が下がるので、入ってからしっかり頑張ってくれそうかという点はかなり見られる。各業界の上位ばっかりつまみ食いするように受けてる奴はミーハーでその業界への熱意がないと思われる。
受ける企業の同業他社を調べて、数字や経営陣のメッセージを自分なりに解釈しておけば自ずと説得力のある理由が言える。受けないからといって全くノーマークにするのはやめるように。
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